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クラウド、セキュリティ、AIなど

AWSのAIエージェント型IDE「Kiro」を使ってTodoリストアプリを作ってみた

AWS Summit New York City 2025で公開されたAIエージェント型IDE「Kiro」を使ってアプリを作ってみました。

aws.amazon.com

Kiroとは

  • AWSが提供するAIエージェント型のIDEで、自然言語によるAIとの対話で開発を支援
  • 以下のコア機能を利用可能
    • Specs
      • アプリケーションの複雑な機能の開発プロセスを形式化
        • 要件を受け入れ基準を含むユーザーストーリーに分解
        • シーケンス図とアーキテクチャプランを使用して設計ドキュメントを作成
        • 個別のタスクにわたる実装の進捗状況を追跡
        • 製品チームとエンジニアリングチーム間で効果的に連携
    • Steering
      • AIの挙動を確立されたパターン、ライブラリ、および標準に一貫してコントロール可能
    • Hooks
      • IDEで特定のイベントが発生した際に、事前定義されたエージェントアクションを実行する自動トリガー

環境準備

今回はWindows PCで実施します。
以下URLからIEDのインストーラーをダウンロードします。

kiro.dev

インストールが完了したらログインします。
AWS Builder IDやGitHubアカウントが使えます。

今回はAWS Builder IDでログインします。
ブラウザが立ち上がるのでアクセスを許可します。

初期設定を行います。

テーマを設定できます。

最後までいくと初期設定完了です。

Kiroでアプリを開発してみる

プロジェクトの作成

プロジェクトを作成します。

画面左の「Generate Steering Docs」をクリックすると以下のファイルが生成されます。
このファイルを編集して、機能やフォルダ構成、使用するライブラリなどを定義できます。

  • product.md
  • structure.md
  • tech.md

仕様書の作成

Specモードでにより、要件定義、設計、開発を順に実施してくれます。
例えば、Todoリストアプリを作成したいと入力します。

要件定義書「requirements.md」の作成が完了しました。

ファイルを見てみると、ユーザーストーリーごとに要件を列挙されています。

続いての設計フェーズで設計書「design.md」の作成が完了しました。

ファイルを見てみると、フォルダ構成やアーキテクチャが定義されています。

指示していないのに、セキュリティやエラーハンドリング、パフォーマンスといった非機能要件も考慮してくれています。

最後に実装計画「tasks.md」の作成が完了しました。

要件定義の項目との対応も記載されています。

これで仕様書周りの作成が完了です。

実装

実装計画「tasks.md」を開き、「Start task」を順番にクリックして実行します。

計画に基づいてどんどんコードが作成されていきます。

タスクが完了したら、次のタスクも同様に実行します。

テスト用のコマンド実行の許可を求められるので対応します。

完成したアプリ

完成したアプリがこちらです。

タスクを入力して追加ボタンをクリックすると、Todoリストに追加されます。

チェックボックスをクリックすると、タスクが完了になります。

削除ボタンをクリックすると、タスクが削除されます。

フォルダ内にはテスト結果やテスト用のアプリも残っていました。

まとめ

最初の指示以外はほとんど何もせず、簡単にアプリを作ることができました。
セキュリティなどの非機能要件も考慮しながら、要件定義からテストまで一貫して実施できるのは驚きです。
安全のため、タスクの一つ一つ手動実行したり、コマンド実行時には確認を取ってくれる点も業務にも通じることです。
いきなりすべての開発業務を置き換えることはできないと思いますが、時間のかかるプロトタイプや仕様書の作成のたたきを作ってもらえるだけでもありがたいです。
使えるところは使いつつ、今後のエンハンスにも期待していきたいですね。